
緊張や不安とうまく付き合う。内向型人間の処世術
緊張や不安は克服するより、うまく付き合うほうがプラ
こんにちは。MOSIC代表の吉村です。
今回は、何をやっても長続きしない15歳のわたしに「習慣ってなんだ」という話をしようと思います。まず、習慣って理不尽じゃないっすか。身につけたい習慣は三日坊主になり、ムダな習慣はやめられない。あげくには続けらえないのは忍耐力がない、自制心がないなどの精神論に行きつき、負の感情に押しつぶれそうになる。
これじゃーどうしようもない。15歳のわたしよ、そんなことを30歳までやっています。
そもそも習慣って何なんでしょう?そんな疑問が湧き学んでみたら、実はすごくおもしろかったです。どうして学校で教えてくれなかったのかというぐらいに、早くに知っておきたかった。勉強も部活動も、つき詰めれば習慣。その根本をなぜ教えてくれなかったのかと。
ということで、15歳のころに知っておきたかった「習慣」について、私が学んだことを紹介したいと思います。
習慣とは何か。それは「脳がラクしよう」とした結果、生まれたものでした。
習慣は、脳の「基底核」という部分が関わっています。その「基底核」は、脳のほかの部分が眠っていたとしても行動を遂行できる役割を持っています。
ある行動が習慣になる前は、脳のいろんな部分が関わっているのですが、同じ行動を繰り返すうちに「ムダを抑えて、基底核でその遂行を完結させよう」という省エネ戦略を脳が行います。それによって生まれるのが「習慣」なんです。
いったん、この省エネスタイルが出来上がると、脳のあらゆる部分はそこに参加せず、意思決定もしません。だから、あらゆる行動が意識しなくても行われるようになるのです。習慣を「ついつい身体が動く」と言うのは、まさに的を得た表現なのです。
これって、実はすごく効率的で、「朝起きて何をするのか」「体をどこから洗うか」を毎回、脳をフル回転させて考え意思決定していたら疲れてしようがありません。
でも、人間って、うまくできていなくて、この省エネスタイルが出来上がると、それが良い習慣であろうが、悪い習慣であろうが、無意識に行ってしまいます。人間ってすごいのか?ポンコツなのか?そこがおもしろいんですけど。
では、脳のラクしたい願望(?)で生まれる習慣を、思い通りに身につけたり、やめたりすることができるでしょうか? その答えのヒントは、習慣がつくられる「しくみ」にあります。
脳はムダをなくそうとして「習慣」をつくります。そのしくみをより詳しく見ると、以下のようなループが繰り返さていることがわかります。このループを続けることで、脳は省エネスタイルの「習慣」に移行させようとします。
きっかけ
↓
ルーティン(行動)
↓
報酬
たとえば「勉強や仕事中にクッキーを食べる」という習慣であれば、以下のようなループが繰り返されているかもしれません。このループが続くと、「書類整理」のあと、意識しなくても「クッキーを食べる」ようになります。
(きっかけ)
書類を整理する
(ルーティン・行動)
クッキーを食べる
(報酬)
気分が良くなる。疲れを忘れる
きっかけや報酬は、そのほかにも以下のようなことが考えられるかもしれません。
(きっかけ)
・勉強や仕事をはじめて1時間後
・苦手な人からの電話やメール、ラインのあと
・疲れを感じる
など
→時間や場所、他者、心理状態など、あらゆるものがきっかけになります。もし、勉強や仕事中に何かを食べるという習慣があれば、その行動の直前の場面や心理状態を思い出してください。そこに「きっかけ」があるはずです。
(報酬)
・上司への怒りや不満を緩和できる
・やる気が出てくる
など
→報酬もさまざまなものが考えられます。勉強や仕事中に何かを食べたあと、どんな気分や感情になるのかを思い出してください。それが「報酬」です。
ただし、このループを繰り返すために、燃料みたいなものが必要になります。それが「報酬への期待」。つまり「欲求」です。報酬への欲求があるなかで、「きっかけ」が起こると、その報酬を得るために身体が勝手に動きます。
まとめると「きっかけ→ルーティン(行動)→報酬」というループ、そしてループを動かす「欲求」が、「習慣がつくられるしくみ」なのです。
習慣がつくられる「しくみ」がわかれば、なぜうまく習慣化できないのかという理由も明らかになります。
たとえば「毎日英単語を30個暗記しよう」と決めても続けられないとき、先ほどのループのうち「ルーティン」しか決めていないからです。もうおわかりのように「きかっけ」と「報酬」がなければ、脳は習慣化しようとしません。
つまり、習慣化したいことがあれば、「きかっけ」「報酬」も意図的につくる必要があります。
では、「毎日英単語を30個暗記」するための「きかっけ」と「報酬」を考えてみたいと思います。
(きっかけ)
・21時になる
・夕食を食べ終える
・学校帰りに電車に乗る
など
→時間や場所など、きっかけを自分で決めてしまい、そのきっかけが起これば必ずルーティンを実行します。
(ルーティン・行動)
英単語を30個暗記
(報酬)
・好きな音楽を聴く
・友達にLINEをする
・チョコレート1個のご褒美
など
→報酬も意図につくります。報酬は、自分がそれを欲しいという「欲求」が湧くものでないと意味がありません。また、「達成感を味わいたい」というのも報酬のひとつですが、はじめは掴みどころがないものより、目に見えて期待できるもののほうがいいと思います。
こんな感じでループをつくれば、あとは意識して繰り返します。もちろん1度実行しただけでは習慣になりません。一定の期間は努力し意識しながら続けていきます。すると、脳が省エネ戦略を取り、意識せずとも実行できる習慣になります。
習慣をつくる方法に、「もしAであれば、Bをする」という「if-thenプランニング」というのがあるのですが、これもループづくりと同じ考えだと思います。さらに「もしAであれば、BをしてCを得る」とすれば、より習慣化しやすくなるのかもしれません。
今度は、ある習慣をやめたいときの方法を考えます。
同じように上記のループで考えます。そうすれば、より戦略的に習慣をやめることができます。
たとえば「仕事中にクッキーを食べる」習慣をやめたいとき、「きっかけ→ルーティン→報酬」のなかで、実際にやめたいのは「ルーティン」です。
(きっかけ)
書類を整理する
(ルーティン・行動)
クッキーを食べる ←やめたいのは、これ
(報酬)
気分が良くなる。疲れを忘れられる
つまり「きっかけ」と「報酬」を変える必要はありません。「ルーティン」さえ考えればいいわけです。
そして、やめたい「ルーティン」をなくすには、その行為を別のものに変えます。今回であれば、たとえば「外の空気を吸いにいく」「ストレッチをする」などに変えます。クッキーを食べたときと同じように「気分が良くなる」別の行為に意図的に変えます。
「ルーティン」だけ変えて新しいループをつくり、それを意識して続けます。すると、新しいループが上書きされ、以前の習慣がなくなります。
習慣をつくりたい、ムダな習慣をやめたいと思い立っても、なぜうまくいかないのか。習慣のしくみを知れば、それが理解できます。「勉強を続けよう」「日々の練習を続けよう」と努力することも大事ですが、決意だけではダメということです。勉強も、部活動も、いま考えれば習慣でした。だからこそ学校で習慣を学べる「授業」があってもいいのになあと思うのです。
大人になった私が「習慣」について学んだ本も紹介します。さらに詳しい話や、実践的な戦略がいっぱい紹介されています。興味を持った方は、ぜひこちらの本で「習慣」をもっと深く知ってみてください。
今回お話したことの多くは、この本から学びました。習慣の仕組みを教えてくれる良書だと思います。これを読むと、習慣の大事さがわかります。
習慣の話はもちろん、ある目標をやってのけるために必要なことを心理学の観点から教えてくれます。
依存症のしくみは、習慣が生まれる構造と大きく変わりません。ゲームやSNSなどに依存してしまうのは、巧みに依存するような構造がつくられているからです。依存症にならないためにも、その仕組みを知っておいたほうがいいかもしれません。
お疲れさまでした。ありがとうございます。
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