
緊張や不安とうまく付き合う。内向型人間の処世術
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こんにちは。MOSIC代表の吉村です。
今回は、競争しない戦略で「優位に立つ」という話のつづきです。
前回は、がんばって競争に勝っていくのは、そんなにいい戦略ではないという話をしました。では、どんな戦略がいいのか?ビジネスでは「競争なんてしなくていい」という戦略が良いと考えられています。
それは、具体的にどのようなものなのでしょうか。簡単に紹介しながら、15歳の生活シーンでも活用できる方法を考えていきたいと思います。
まずは、ビジネスで考えていきましょう。
ビジネスの最大の目的は、何でしょうか。ライバル企業に勝つことでしょうか。それは「利益を生み出す」ことです。
そのために、できることは2つあります。
【できること①】
ひとつは「相手から利益を奪い取ること」です。これが「競争に勝つ」戦略です。ライバル企業よりも良いモノ・サービスをつくって、顧客を奪い取り、ライバルが得る利益をこちらのものにします。前回の話では、これはあまり良い戦略ではありませんでした。
一方で、もうひとつできることがあります。
【できること②】
それが「利益が生まれる独自の仕組みをつくる」ことです。
ライバル企業から顧客を奪うのでなく、ライバル企業が見向きもしていない顧客に、誰もつくっていない独自のモノ・サービスを提供して、利益を得るという戦略です。
つまり、競争しなくてもいい状態をつくって、そこで商売をしていくという考え方です。言いかえれば、独自の道を進むということ。これが「競争しなくていい」戦略です。ビジネスでは「優位に立つ」ためにこの戦略が必要だと考えられています。
前回、パソコンを例にあげましたが、Apple社は2つ目の戦略で「優位に立つ」を実現しています。コンピュータが普及しはじめた黎明期に、それまでにコンピュータメーカーが見向きもしていなかった顧客をターゲットに独自のコンピュータをつくり、他のメーカーが侵攻できない優位性を獲得しました。PCではなくMacですし、OSも多くのメーカーが取り入れているWindowsではなく独自のOSです。
競争に勝つために「ライバルに差をつけろ」とよく言われますが、二つ目の戦略は「ライバルと異なる土俵に立て」、あるいは「ライバルと比較もできない場所に立て」という感じでしょうか。
私は、15歳のとき、勉強でも部活動でも私生活でも、なんとなく誰かと比べられる世界に疲れを感じ、いつも2つの選択肢しかないと思っていました。
もっと頑張るか。
あきらめるか。
そんな私にとって「競争しなくていい」戦略はとても新鮮でした。二者択一ではなく「第3の道」があると知っていれば、もっと創造的なスクールライフを送れたかもと思うわけです。もちろんビジネスと学生生活では目的が違いますが、“自分に利することを生み出す”という点で考えれば、戦略は共通してくるのではないでしょうか。
では、「競争しなくていい」戦略を活用して、15歳の生活で「優位に立つ」を考えてみたいと思います。
「競争戦略」には、いくつかの戦術があります。その代表的な戦術を取り上げながら、15歳の生活を再考してみたいと思います。
最初の戦術はポジショニングです。
「競争相手がいないところに位置取れ」という戦術です。学校という場所は、勉強でも部活動でも私生活でも、自分が望まなくても誰かと比べられる世界です。それは、めちゃくちゃ競争相手がいる世界、いわばポジショニング的にはよろしくありません。
とはいえ、その世界から完全に抜け出すことはできませんよね。もちろん学校をやめろと言うわけにもいきません。
15歳の生活でのポジショニング案は、こんな感じです。
学校という競争相手が多い世界にいながら、同世代や友人があまり足を踏み入れない世界にも身を置いて、やりたいことをやってみよう。
趣味やスポーツ、ボランティア、コレクション、ファッションなど、何でもいいです。ポイントは、まわりの友人や、普通の中学生・高校生がやっていないこと。
まわりの友人には理解してもらえず、恥ずかしくて言えない趣味があれば最高です。ポジショニング的には、友人に理解されず、競争相手がいないほどいいのですから。
友人や同級生に共感してもらえないのは、つらい気持ちになりますが、競争戦略を知って入れば「それはプラスなんだ」と前向きな気持ちに変えてくれます。
ポジショニングを確保し、その世界でやりたいことを継続していくと、ライバルがいない自分だけが活躍する土俵がつくられていきます。そして、近くの友人に共感されなくても、その土俵にあこがれるファンが現れます。競争相手ではなく、応援してくれる存在です。ファンが下支えし、土俵は確固たるものになっていきます。
ポジショニングは、ライバルがいない世界に挑戦するという戦術ですが、その世界に興味がなければ、継続して頑張っていくことは難しいですよね。なので、ポジショニングを強制的に行うのも良くありません。
そこで、2つ目の戦術です。
競争相手がいる世界でも、そこで生まれる行動をみんなと違うやり方に変えて組み合わせていくことで、ライバルが簡単に踏み入れられない場所をつくることができます。
ビジネスでは、新しい商品・サービスを売り出し成功すると、必ずマネするものがあらわれます。そんな時に、簡単にマネされては厄介です。新たな挑戦者をはねのけないといけません。それが、2つ目の戦術です。
2つ目の戦術の考え方は、こんな感じです。
新しい商品・サービスをつくり、顧客に届くまでには、いろんな過程があります。たとえば「素材調達、製造・デザイン、流通、販売、購入後のケア」。この過程のひとつひとつを他社がマネできない独自のやり方に変ます。さらに、それらを組み合わせて、自社だけの最強のシステムをつくります。そうすれば、他社は簡単にマネができません。もし販売方法だけマネても最強のシステムに敵わないですし、すべてをマネするには過度な労力が必要です。こうすることで、ライバルが踏み込めない土俵をつくることができます。
これを、15歳の生活にも応用してみましょう。
たとえば、部活動の過程を思い描いてみます。そして、その過程のひとつひとつをみんなと同じように行うのではなく、やり方を変えたり、違う要素を入れたりします。
部活動で、この戦術を取り入れてみると…
朝錬
→自由参加であれば、合同練習に参加せず、自分だけの練習をする
放課後の練習
→誰かの練習を見学し、アドバイスをする時間をつくる
土曜日の練習
→学校ではなく、大人も参加する地域のクラブに参加する
顧問の指導メニューに従う
→顧問の指導の根拠などを必ず調べる
ここでのポイントは、各過程を行き当たりばったりで変えるのではなく、それぞれを関連づけたり、大きなテーマを設定したりすると、より強力になります。上記であれば「分析する力も身につける」というテーマで考えてみました。
少し異なる過程の組み合わせを継続していけば、部活という同じ土俵でありながらライバルが踏み込めない自分だけの特殊な土俵がカタチづくられていきます。
同じ練習過程の繰り返しなら、ライバルとの差は練習量や身体特性でしか現れないかもしれません。しかし、違うことを組み合わせることで、新たな結果が生まれる可能性があります。
そして、上記の例であれば、ライバルにはなく、部活動以外でも役立つ「分析力」という力が身につきます。さらに、これまで出会わなかった人や情報に触れることができ、ライバルにないネットワークが広がります。
学校生活での競争に疲れ、うまく立ち回れていないと悩んでいたら、「競争戦略」はすごく参考になると思います。
勉強や部活動だけの狭い視点ではなく、もっと広い視野で自分の価値を俯瞰したとき、競争相手が多い土俵のなかで同じような知識や能力だけを競い合っていくのと、競争のない世界を自らつくり、誰にもマネされない知識や能力、成果を生み出していくのと、どちらが優位に立っていると言えるでしょうか。やはり後者ではないでしょうか。
「競争戦略」は、自分の価値を高め、広い視野で優位に立つためのたくさんのヒントを与えてくれます。
今回、15歳の生活を再考するうえで「競争戦略」の考え方を自己流に解釈をしながらお話しました。もし「競争戦略とは何か」をもっと詳しく知りたいと思った方は、ぜひ以下の本も読んでみてください。おもしろいですよ。
お疲れさまでした。ありがとうございます。
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