みなさんこんにちは。

ポーランドで新米日本語教師をしているZosia(ゾシャ)と申します。

今日は、わたしが日本語教育に携わってから「ヘンじゃない?」と感じたことについて、お話しします。

最初に学ぶ日本語

中学校で初めて学んだ英語、覚えていますか?

「ディスイズアペン」というフレーズが出てくる人も多いかと思いますが、それと同じくらい、「ハロー、ハウアーユー?」「アイムファイン、センキュウ、エンドュー?」も日本人英語の決まり文句になっているかと思います。

実際、英語話者のあいさつは Hi. How are you? って必ず「ハウアーユー」が入ってくる体感100%です。

でも、日本人って、毎回「こんにちは」のあとに「元気?」と言わないですよね。

とはいえ、英語文化に基づいて、とりあえずHow are you?の日本語を知りたい外国人ってすごく多いです。日本語が話せない人でも、ogenkidesuka?は知っていたりします。

そして、日本語を学ぶためのテキストも、最初の導入は日本語のあいさつ。

こんにちは、さようなら、ありがとうございます、どういたしまして・・・

それから「お元気ですか?」です。

「お元気ですか」ってなんやねん

某ロマンス映画を彷彿とさせるこのフレーズですが、わたしは日常挨拶として「お元気ですか?」を初回から教える日本語教育業界に苦言を呈したい。

(だからこの連載企画のタイトルにしました)

ちなみに、お元気ですかときかれたときの返事は「はい、元気です」だそうです。う~ん?

そもそも、お元気ですかの英訳は Are you fine? になるはずです。なのにどうして、How are you? = お元気ですか という解釈になるのかギモンです。

Google translator・・・お前もか・・・

「お元気ですか」は死語か

もしかすると、日本語とその文化的背景をアップデートすることなく、日本語教育が21世紀を迎えてしまったのではないでしょうか。

しかし1953年の時代設定という映画「となりのトトロ(1988年公開)」を見ても、会話の中で「お元気ですか」って出てこないんですよ。(「ごめんください」は出てくるんです。これもそうとう死語になりかけた美しい日本語です)

でも、サツキがお母さんに手紙を書くシーンには、「お母さん、お元気ですか」の一節があります。

今でも、もし手紙を出すなら、「お元気ですか」で始まる文章も違和感ないなと思います。

とはいえやはり「お元気ですか」を日常会話で使っていたのはいつ頃の話なのでしょうか。

ものすごく研究したいテーマなのですが、これって言語学とか風俗史の話になるので、ちょっと今ここで簡単に結論が出ません。

かわりにわたしが教えていること

わたしがポーランドの学校で使っている日本語テキストでも、初回に「お元気ですか」を学びます。

テキストに載ってる以上、スルーするわけにはいかないのですが、わたしはこのフレーズを毎回授業のあいさつで使うことはしません。

そのかわり、もっとナチュラルなあいさつを教えるようにしています。

ズバリ「最近(調子は)どうですか?」です。

 

これなら、わたしたちも日常で使っている日本語ではないでしょうか。

しかもよくよく考えると、How are you? の直訳って「(あなたは)どうですか?」なんですよね。ますます「お元気ですか」を無理に教える意味がわからない。

ことばは生き物である

時代が変われば、ひともことばも変わります。

外国語教育も、時代に合わせてアップデートしていかなければならないと思います。

わたしが日本語教師をしている中で感じるいろいろな違和感。それって、まだわたしが「日本語教育のプロ」になりきれていない証拠かもしれません。

でも、わたしはこの感覚を大切にして、日本が好きで日本語に興味を持ってくれた人たちに「生きていることば」を伝えていきたいと思っています。

雪がしんしんと降っている11月のポーランドからお届けしました。

それではみなさん、また次回。さようなら。

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